Society at a Glance 2005-Social Cohesion Indicators
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「つながり」は大きな社会問題である。
「やっぱりそうか。」と思いましたでしょうか。「いやいや、絶対違うでしょ。」と、データを否定したでしょうか。日本人は謙虚な民族だから、こうしたリサーチでは低い結果が出やすいというのは、文部科学省でも考慮されている共通認識です。が、こうもハッキリ1位を取ってしまっては、無視できない課題ともいえるのではないでしょうか。意識調査の結果について文部科学省学力調査室では「謙虚に答えるという日本人の国民性もあり、一概に他国・地域と比べることはできない」と指摘しつつも、「生徒の学習意欲は成績向上に直結する。数学への苦手意識を払拭し、目的意識を高めるような施策を進めたい」としている。
OECD国際学習到達度調査(1)日本、数学の学習意欲改善+(2/2ページ) - MSN産経ニュース
確かに、社会的に孤立するのはマズイ気がします。しかし、つながる必要って本当にあるのでしょうか。家族や恋人、少数の友人さえいれば、困らないのではないでしょうか。
まず、「つながり」に対するあなたの認識をバージョンアップさせる必要があります。
弱い絆。ゆるいつながり。濃淡のあるつながりを目指す。
「つながろう!」と言うと、何か煙たい感じがしてしまいます。好きでもない人たちと、密に繋がりたいとは誰しもが思わないからです。逆に、大好きな人であれば大歓迎。だから、一言でつながると言っても、相手によってバランスをとらないと「苦しいつながり」がたくさん生まれてしまいます。そう。平等な社会へ。感覚としては、これらと似ていると思います。マイナスな差別や不平等は無くすべきですが、能力別の授業や、個人の体調に合わせた食事などは、ポジティブな不平等(=公平さ)だからです。「つながり」においても、同様です。
相手によって、ポジティブな関係でいられるつながりを保てばいいのです。大好きな人であれば密にすればいいし、苦手な人であれば程よい距離感を保てばいいのですね。そして、尊敬できるところだけを見るようにして、お互いに生かしあえば、すごくポジティブな「つながり」になると思いませんか。
弱い絆こそ生かせる。
調べてみると、弱い絆だからこそ効果が表れる事例が報告されています。弱い絆に対して強い絆というのはそもそも社会的な地位や価値観の似たもの同士の間で形成されることが多いはずです。 (中略) 強い絆で結ばれた個々の集団は、他の集団とは相互に不干渉となってしまう可能性が高いはずです。
弱い絆理論 : NED-WLT
なるほど、仲良しグループ①VS.仲良しグループ②で、全くタイプがことなる小学校時代のイメージの通りですね。互いにタイプの違う人同士が集まり、正確や趣味などの共通点が色濃いのが特徴です。
しかし、①、②のグループの両方を行き来している人もいました。どちらのグループにも属さない、唯一の趣味や価値観を持っている人。どちらのグループともに共通部分がある人。強い絆は決して持っていないけれども、弱い絆でつながっている状態です。
この弱い絆を利用すれば、どうなるでしょうか。私は、2つのグループをつなげられる、と考えます。生まれたつながりは消して強くありません。それでも、お互いの強みを活かして補えますし、強みがわかればお互いの理解が深まります。つながらなければ生まれることがなかった可能性やパワー、弱い絆を通して生かされるのです。
横浜市が目指する「つながる地域」
横浜市では、施策として「つながり」を掲げています。つながりの重要性は、もはや行政が動き出すくらいの課題になりました。しかし、行政ばかりに依存していては、つながりは生まれません。私たちが、自ら繋がろうとする意識がなければならないのです。調査季報 170号 特集:つながりを探る~「ゆるやかなつながり」を中心に~
『和とは人の輪なり』
ブログのタイトルにもある言葉。和太鼓や民俗芸能、祭り囃子など『和』を通じて人と人とをつなぐ取り組み。『和とは人の輪なり』は、昇龍の理念を象徴的にあらわしています。今の時点では『上郷囃子』こそが最も有効で価値のある手段だと私たちは考えています。今、この瞬間におけるつながり、そして、これからのつながりを考えるのであれば、『上郷囃子』以外でも構いません。
でも、『上郷囃子』でなければできないことがあります。それは、過去とのつながりです。過去から伸びてくる線をたどるには、元々あるものから探っていった方が手っ取り早いのです。
人の輪もきれいな円を思い描いてはいませんし、コンパスで書いたような線でも、空飛ぶ円盤のような面でもありません。3次元的な球をイメージしています。いろんな長さ、太さの線が、無数に伸び合っている。そして、現在の線だけではなく、過去や未来へと繋がる線が、たくさんある、というイメージです。
つながりには濃淡があります。そして、現在から過去へと未来へと双方向的に伸びてくるつながりもあります。言葉や絵では表せられないような、ものすごく複雑なつながりが、そこにはあるのです。
和太鼓を通じて、民俗芸能を通じて、『上郷囃子』を通じて、これからの町づくりについて考えていきたい。そんな想いで、活動をしております。